連載コラムこころの点描


「自殺」と「他殺」

「誰々さんが自殺した」と聞いたとき、私たちはある種の心境になります。「なぜ?」から、犯人捜しに至るまでそんなに時間はかかりません。

でも、「自殺」ですので特定の犯人はいないのです。重苦しい、否定したい気分のなかで、この社会(=共同体)から排除したのではないか(他殺)という漠然とした打ち消したい罪悪感が漂います。

ヴィトゲンシュタイン(哲学者)は、『自殺が許される場合は、すべてが許される。何かが許されない場合には、自殺は許されない。このことは倫理の本質に光を投じている。』(論理哲学論考)と記しています。


2018.7.10掲載 / 連載